漢方の視点から見る糖尿病|基礎知識とセルフケア

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漢方の視点から見る糖尿病|基礎知識とセルフケア

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糖尿病は現代社会で深刻な問題となっています。生活が忙しくなるほど世の中はどんどん便利になっていますが、糖尿病の原因はライフスタイルのなかにありそうです。

糖尿病は漢方の観点では「身体のバランスが崩れている」と捉えます。糖尿病の基礎知識から、漢方薬によるサポートまでお伝えしましょう。

糖尿病とはなにか

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どんな状態が糖尿病?

糖尿病とは、血液中の糖(血糖値)が慢性的に高い状態を指しており、インスリンの働きが関係しています。「インスリンという名前は聞いたことがあるけどよくわからない」というひとのために簡単に説明しますね。

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンです。血糖値を調節する大切な役割をしています。

通常、食べ物から摂取した糖が血液中に入ると、インスリンが細胞に糖を取り込む手助けをします。糖は細胞にとって大切なエネルギー源。もし細胞に糖が入らなければ、エネルギー不足で身体全体の機能に影響するのです。

「インスリンが血糖値を下げる」といわれるのは、インスリンが糖を細胞に取り込ませることで血液中の糖が正常な範囲に保たれるからなのです。

糖尿病の状態とは

  • インスリン不足
    身体が十分なインスリンを分泌できない状態
  • インスリン抵抗性
    インスリンは分泌されているのに正常に作用しない状態
  • 高血糖
    持続的に高い血糖値が維持されている状態

糖尿病になると現れやすい症状

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  • 多飲多尿
  • 体重減少
  • 疲れやすい
  • 視力低下

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

糖尿病には1型と2型があります。

  • 1型糖尿病とは
    自己免疫疾患で、インスリンを生成する能力が失われるため発症する
    若年層に多くみられる
  • 2型糖尿病とは
    インスリン抵抗性が主な原因
    成人に多くみられるが、最近は若年層でも増えている

インスリン抵抗性は2型糖尿病の主な原因です。肥満・運動不足・遺伝などが関与しています。以下、2型糖尿病について詳しく述べていきますね。

なぜ糖尿病になるの?

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糖尿病が深刻化している理由

現代社会で糖尿病が増えている理由はいくつかあります。

  • 生活習慣の変化
  • 食生活の変化
  • 運動不足
  • ストレス
  • 遺伝的要因

多忙な生活や長時間のデスクワークが増え、運動不足のひとが多いですね。加工食品や、高カロリー・高糖質の食品も世の中に溢れています。ストレスレベルが高ければ糖尿病のリスクも高くなるんですよ。

これらの要因が重なり合い、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)を高めています。現代のライフスタイルが大きく影響しているのです。

糖尿病の発症リスクを高める具体例

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日常生活でありそうな具体例をあげましょう。チェックしてみてください。

  1. 高カロリー・高脂肪の食事
    ファストフード・加工食品・スナック菓子など
  2. 運動不足
    デスクワーク中心の生活・運動習慣がない
  3. 肥満
    特に内臓脂肪が多い状態
  4. 喫煙
    ニコチンがインスリン抵抗性を高める
  5. アルコールの過剰摂取
    適量を超える飲酒は糖尿病リスクが大きい
  6. ストレス
    慢性的なストレスは血糖値に悪影響を及ぼす
  7. 不規則な生活習慣
    睡眠不足・不規則な食事
  8. 遺伝的要因
    家族に糖尿病歴がある場合

糖尿病予防には、これらの要因をコントロールするのが重要です。

本当に怖いのは合併症

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糖尿病の三大合併症とは

糖尿病には危惧するべき三大合併症があります。糖尿病管理がいかに必要かをわかっていただくため記載します。

網膜症(もうまくしょう)

糖尿病によって目の細かい血管が傷つき、視力が低下する状態です。最悪の場合、失明することもあります。

腎症(じんしょう)

糖尿病による高血糖が原因で、腎臓の機能が低下する状態です。最終的に腎不全に至ると、透析や腎移植をしなければ生きていけません。

腎臓病に注意! あなたが知らない間に進んでいるかもしれません

神経症(しんけいしょう)

高血糖が長期間続くと神経にダメージを与え、感覚がなくなったり痛みを引き起こしたりします。

早期発見・早期治療の重要性

「糖尿病が原因で足を切断した」という話を聞いたことがありませんか? これは神経症に原因があります。

足などの末端部分で感覚が鈍くなる

傷や炎症に気づきにくくなる

傷ができると治りにくい(糖尿病は血行が悪くなることもあるため)

感染症にかかりやすくなる

感染症が進行すると周囲の組織が壊死

最終的に足の切断が必要になる

三大合併症以外にも、心疾患脳卒中のリスクを高めるのが糖尿病の怖さ。生活の質ばかりでなく命にも関わる病気です。予防・早期発見・早期治療がなにより大切なのです。

糖尿病の予防方法

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生活習慣の改善

糖尿病予防には、なんといっても生活習慣の見直しが大切です。日常生活で発症リスクに当てはまるひとは、ぜひできるところから取り組んでみてください。

バランスのよい食事

  • 野菜・果物・全粒穀物・豆類を取り入れる
    食物繊維が豊富で、血糖値の急激な上昇を抑える
  • 精製された炭水化物・砂糖の摂取を控える
    白米・ラーメン・うどん・パスタなどは血糖値が急激にあがる
    全粒穀物・大麦・玄米などがおすすめ
    砂糖はなぜマイルドドラッグと呼ばれるのか|本当は怖い砂糖依存症
  • 脂肪の多い赤身肉を減らす
    たんぱく源としておすすめなのは魚・鶏肉・豆類・ナッツ類
  • トランス脂肪酸を避ける
    マーガリン・ショートニングなどにはトランス脂肪酸が多く含まれる
    これらを材料とした洋菓子・揚げ物などを控える

定期的な運動

  • 1日20分の有酸素運動を
    ウォーキング・サイクリング・水泳などがおすすめ
  • 筋力トレーニング
    筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、血糖値のコントロールに役立つ
  • こまめに身体を動かす
    エレベーターの代わりに階段を使うなど

体重管理

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  • BMI(体格指数)
    18.5~24.9の範囲に保つことを目安に
  • 食事や運動の記録をつけると習慣化しやすい

睡眠とストレス管理

  • 7〜9時間の質のよい睡眠を心がける
    寝る前のストレッチや寝室の環境を整える
  • 日常的にストレス管理を
    ヨガ・深呼吸・趣味の時間をもつなど

喫煙・飲酒を控える

  • 喫煙は血管にダメージを与える
  • アルコールは適量にとどめる

たくさん書きましたが、できるところからでいいんですよ! 無理なく続けられるよう、習慣にするのが大切です。

定期的な健康診断

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年に一度は健康診断を受けましょう。糖尿病チェックでは以下の項目を確認してください。

  • 空腹時血糖値
    110mg/dl以上は要注意
  • 血圧
    高血圧の基準値=140/90mmHg以上
    ※糖尿病のひとは130/80mmHg以上で要注意
  • 血中脂質(コレステロール)
    ※糖尿病があるひとの目標値
    LDL(悪玉コレステロール)=120mg/dl未満
    HDL(善玉コレステロール)=40mg/dl以上
    中性脂肪(空腹時採血)=150mg/dl未満
  • BMI(体格指数)と腹囲の測定
    BMI=体重(kg)÷(身長(m)×2)
    ※BMIが25以上は注意

    腹囲:男性=85cm以上、女性=90cm以上は注意
  • 尿検査
    尿蛋白:正常値は(ー)
    尿糖:正常値は(ー)
    ph:基準値6.0前後
    尿ケトン体:正常値は(ー)

    ※尿糖は血糖値と併せて判断する必要があります。

糖尿病は身体のバランスが崩れた状態です

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糖尿病は身体にさまざまな影響をもたらします。血管・神経・腎臓・目・足・歯と口腔・皮膚・免疫力・精神面。身体全体に影響が及ぶことがわかりますよね。放置すると合併症を引き起こす恐ろしい病気です。

糖尿病予防は日々の生活習慣につきます。人間が便利に生活しようとする分だけ病気の元が増えるような気がしてなりません。あなたのライフスタイルで

改善できること
やらずに済むこと
取り入れること

を洗い出してみましょう。

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漢方の視点で見ると、糖尿病は身体全体のバランスが崩れた状態。糖尿病は「腎」「肝」「脾」の不調が関連すると考えられています。

  • は成長・発育・生殖・老化・水分代謝に関わる
    機能低下すると→尿糖の増加・頻尿・口渇など
  • は気血の巡りをコントロールしストレスや情緒にも関連する
    機能低下すると→血糖値が不安定・ストレスで血糖値が上がるなど
  • は消化機能を担う
    機能低下すると→食べ物からエネルギーを取り出せなくなりインスリンの働きが悪くなる

漢方薬は単に血糖値を下げるだけでなく、身体全体のバランスを整え糖尿病になりにくい体質を目指します。糖尿病のリスク軽減や体調管理を助けるためによく使われる漢方薬をご紹介しますね。

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
  • 五苓散(ごれいさん)
  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

漢方薬は体質や症状に合わせて選ぶ必要があります。薬剤師に相談してくださいね。

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