腎精とは｜生きるために必要な生命の源【五臓六腑から健康を学ぼう】

今年の冬は比較的暖かですが、その分気温差が激しいですね。暦のうえでは立春を過ぎましたが、今が1年でいちばん寒い時期です。

五臓六腑の「腎（じん）」は冬の臓と呼ばれており、冷えに弱いのです。生命線ともいえる腎の働きを守るため、わたしたちができることを実践しましょう。

五臓六腑の腎とは

五臓六腑のひとつである腎。エネルギーの源であり、生命維持に欠かせない重要な臓です。

漢方では、腎には精気が宿っていると考え、これを腎精（じんせい）と呼んでいます。腎精は命の源であり、誰もが両親から授かっているのですが、強いひともいれば弱いひともいるのです。

腎が関わっているのは生命に直結するものが多いのです。腎精が弱ると即健康に響いてしまいます。

腎が働かなくなると成長や老化に影響がでます。膀胱や耳ともつながりがあるため、広範囲にダメージを受けてしまいます。

生殖能力が弱まります。男性では精力減退・精子の異常などが起こりやすく、女性では子宮の病気や異常が原因で、不妊治療を受けるひとが多くなっています。

腎精が不足していると子どもの発育に影響が現れ、骨格や知能の成長が遅れることがあります。

大人の場合は老化が早まる原因にも。見た目だけではなく、脳に作用して認知症になる恐れもあります。

腎は体内の水分調節を担当しており、膀胱とつながっています。腎が不調になると排尿に関するトラブルが起こることも。

むくみや膀胱炎などは排尿がうまくできないからかもしれません。

骨がもろくなると骨折しやすくなります。女性は特に注意が必要です。

腎の健康には身体を冷やさないことが大切。食養生と生活習慣から腎精を補う方法をお伝えします。

寒いと身体が縮こまり、血流が悪くなります。肩こりや頭痛が起きることもありますね。身体を温める食材の代表選手は、生姜・ネギ・根菜類です。

腎精を補うには黒い食べ物が良いとされています。きくらげ・黒ゴマ・黒豆・昆布などがいいですね。不妊にお悩みの方にもおすすめしています。

魚介類では、エビ・サバ・ホタテ・イカなど。肉類では牛肉やレバーが血を補います。ただし、たんぱく質のとりすぎは腎に負担をかけますので、腎臓の病気がある場合は医師の指示に従いましょう。

そのほか、塩分のとりすぎや水分摂取量にも気をつけましょう。身体に合う水分量を見つけてください。

身体の水分量についてはこちらをどうぞ

服装で体温調節しましょう。今季のように寒暖差が激しい冬、また春先など季節の変わり目は、うっかり身体を冷やしてしまいがちです。

上着ばかりでなく、３つの首（首・手首・足首）を防寒すると体感温度が違います。家の中でも足元が冷えていることがありませんか？わたしはレッグウォーマーをよくおすすめしています。

日照時間が短い冬は気分がふさぎがちになりますので、なるべく日光を浴びましょう。天気のよい日中に外に出られるときはチャンス。太陽にはエネルギーが宿っています。身体を動かせば血流もよくなりますよ。

養生とは、健康に生きていくため身体と心を整えることです。栄養・運動・睡眠は健康の三大原則であり、養生の基本。養生がしっかりできているひとは漢方薬もしっかり浸透します。

本日のテーマである腎は、生きるための基礎となる臓であり、生命維持や成長・老化に深く関わっています。腎精を補うと、子どもであれば成長を促し、大人であれば老化防止につながります。

鹿茸（ろくじょう）・鹿角（ろっかく）は鹿の角からとれる動物性の生薬です。身体を温め、腎の働きを強力にサポートしますよ。養生と漢方薬で健康な毎日を送りましょう。

春の兆しが見えてきても意外に冷えるものです。気をつけてくださいね。

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