砂糖はなぜマイルドドラッグと呼ばれるのか|本当は怖い砂糖依存症
甘いものを食べて「幸せ〜」と感じること、ありますよね。ドーパミンが分泌され幸福感がもたらされているのですが、一時的なものです。
時間が経つと効果が薄れ、再び砂糖を求めるようになります。このようなサイクルが繰り返されると砂糖依存症に陥ってしまうのです。
砂糖依存症の影響は軽いものから重いものまでさまざまですが、長期的には糖尿病などの重篤な病気につながります。清涼飲料水をよく飲むひとも注意が必要なんですよ。
砂糖依存症の原因を知り、対策しましょう。
砂糖依存症の基礎知識
砂糖依存症とは
砂糖依存症は、砂糖の摂取がやめられなくなる状態です。砂糖が脳に与える影響はアルコールや薬物に似ており、マイルドドラッグと呼ばれることもあります。
砂糖依存症がどのように起こるのか説明しますね。
- 砂糖を摂取すると血糖値が急上昇する
- 脳内でドーパミンが大量放出され強い快感を得る
- 脳の報酬系(※)が過剰に刺激される
- さらに砂糖を摂取したい欲求が強まる
※報酬系:快感や満足感を得るときに活性化する脳のネットワーク
依存症の症状と影響
砂糖依存症の症状には次のようなものがあります。
- ストレスを感じると甘いものが欲しくなる
- 甘いものを食べないと落ち着かない
- 甘いものを我慢するとイライラする
甘いお菓子やケーキだけでなく、清涼飲料水にもたくさん糖分が含まれています。無自覚のまま砂糖依存症になっていることもあるんですよ。
砂糖依存症の影響は軽いものから重いものまでさまざまです。
軽い影響
- イライラ・不安感
- 疲労感
- 集中力の低下
過剰な砂糖摂取は血糖値の急上昇と急降下を引き起こし、これが気分の不安定さや疲労感の原因にもなります。
重い影響
- 肥満
- 糖尿病
- 骨粗しょう症
血糖値の急激な変動が精神的な不安定さを生み、うつ病や不安障害につながることがあります。長期的には、肥満・糖尿病・心疾患などの深刻な健康問題を引き起こす恐れもあるのです。
砂糖依存症が引き起こす健康問題
妊活への影響
砂糖依存症は妊活に悪影響を及ぼします。以下は糖質の過剰摂取による妊活への弊害です。
- ホルモンバランスの乱れ
排卵や月経周期に影響を与える - ストレスと不安
精神的な不安定さによりストレスを抱え妊娠しにくくなる - 栄養不足
ミネラルやビタミンB群の不足につながる
妊娠中の過剰な砂糖摂取は、妊娠糖尿病のリスクを高めるだけでなく、胎児の健康にも悪影響を与える可能性がありますよ。
↓こちらも参考にしてくださいね。
妊活中のダイエット|太り過ぎは妊娠を遠ざけてしまいます
冷えの原因
砂糖の過剰摂取は冷えの原因にもなります。砂糖と冷えの関係は以下の通りです。
- 血糖値の急激な変動
特に血糖値が急降下すると冷えを感じやすい - ビタミンB群の不足
砂糖の代謝にビタミンB群が使われてしまいエネルギー代謝が低下する - 血液循環の悪化
血液がドロドロになり血流が悪くなる
インスリン分泌の影響で血管が収縮する
砂糖を摂取し血糖値が急上昇するとインスリンの分泌が増え、血糖値が急降下します。血糖値が急変すると体温調節が難しくなり、冷えを感じるのです。砂糖依存症のひとはビタミンB群が不足していますが、ビタミンB群は血行促進の働きをしますので、積極的にとりましょう。
自律神経のバランスへの影響
血糖値の急激な変動は交感神経を刺激します。
- 血糖値が急降下
- 身体は血糖値を上げようとして交感神経を活性化させる
- アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌される
上記の理由により自律神経に過度の負担がかかるため、バランスが乱れがちになります。副交感神経の働きが抑制されるのでリラックスできず、睡眠の質の低下や消化不良などの問題が発生しやすくなるのです。
砂糖依存症の人は、ストレスを感じると甘いものを食べて一時的に気分を落ち着かせようとするんですね。これが繰り返されると自律神経のバランスが乱れてしまうのです。ストレスをうまく処理できなくなるのでストレス耐性が低下し、さらに甘いものに依存するという悪循環になります。
健康的な甘味の選び方と依存症対策
砂糖の種類と健康への影響
白砂糖は精製されるため、ミネラルやビタミンが取り除かれてしまいます。黒砂糖やきび砂糖にはカルシウムやビタミンB群などの栄養素が含まれており、より健康的ですよ。
ミネラルは身体に必要な成分です。砂糖は調味料としても使いますので、黒砂糖やきび砂糖に切り替えるとよいでしょう。
※三温糖について
少し色が濃く風味がありますが、栄養価は白砂糖とほぼ同じです。
出典:独立行政法人 農畜産業振興機構
農畜産業振興機構
栄養価がある甘味料
砂糖の代わりになる、身体によい甘味料もあります。砂糖より血糖値に影響を与えにくく、栄養価が高いものをご紹介しますね。
- ハチミツ
ビタミン・ミネラル・抗酸化物質が豊富
※1歳未満の乳児にはボツリヌス菌の影響があるため与えないこと - メープルシロップ
カリウム・カルシウム・マグネシウム・亜鉛などのミネラルが含まれる
精製されていないものを選ぶ - ステビア
カロリーがほとんどなく糖質も含まれていない
やや独特の苦味がある - ココナッツシュガー
ビタミン・ミネラル・抗酸化物質を含む
砂糖の一種なので摂取量に注意 - ドライフルーツ
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富
砂糖が添加されているものもあるので成分表をチェック
甘味を摂る際には、栄養価を考慮してみましょう。上記は天然の甘味であり、ビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれています。しかし過剰摂取は禁物ですよ。食事のバランスを考え、甘味を控えめにしましょう。
身体活動と砂糖依存症の関係
運動は砂糖依存症対策に有効です。身体を動かすとエンドルフィンという幸福感をもたらすホルモンが分泌されるので、甘いものへの欲求が自然に減少するんですよ。
さらに運動はストレスを軽減し、血糖値を安定させる効果があります。日常生活に運動を取り入れ、砂糖依存症の改善につなげましょう。
漢方の観点から見る砂糖依存症の原因と対策
砂糖依存症は、冷え性や妊活、自律神経のバランスなど、さまざまな健康問題を引き起こします。リスクを理解し、バランスの取れた生活を心がけましょう。
砂糖依存症を予防するには、健康的な甘味料を選び、適量を心がけること。運動を取り入れ、砂糖への依存を減らしていきましょう。
漢方の観点から見ると、砂糖依存症は「気」のバランスを崩す一因です。砂糖は一時的にエネルギーを供給しますが、その後の急激な血糖値の低下が体内のエネルギー(気)を消耗させます。結果として気虚(ききょ)を引き起こすことがあるんですね。
また体内の気が滞りやすくなるともいわれます。特に精神的なストレスや情緒の不安定がある場合、砂糖の過剰摂取は気滞(きたい)の状態にもなりやすいのです。
五臓六腑で考えると、砂糖依存症は「脾(ひ)」の働きが弱くなっています。甘味は脾を補ってくれるのですが、過剰摂取は逆に脾に負担をかけます。脾が弱まると水分代謝が悪くなり身体に「湿」が溜まりやすくなるのです(水滞(すいたい))。負の連鎖ですよね。
砂糖依存症には脾を強化する漢方薬を用います。あなたの体質に合わせて処方しますので、お心当たりの方はご相談くださいね。
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