子宮筋腫は放置していい？｜漢方薬で治療するメリット

子宮筋腫は良性の腫瘍で、4人にひとりの割合で見られる病気です。

状況や年齢などにより治療方法の選択肢があり、生活に影響がなければ経過観察になるひとも多いです。ただし月経困難や妊娠に影響があるケースでは、専門家とよく相談しましょう。

子宮筋腫は再発することもあります。体質改善して子宮筋腫ができにくい身体を目指しましょう。

子宮筋腫とは

子宮にできる良性の腫瘍

子宮筋腫は20〜40代の女性に多い病気です。子宮の内外や子宮筋（子宮の筋肉）に腫瘍ができます。

大きさはさまざまで複数個できることもありますが、良性なので必要以上に心配することはありません。

女性ホルモンの影響

子宮筋腫の原因はエストロゲンという女性ホルモンです。20〜40代の女性に多いのは、エストロゲンの分泌量が多い年代だから。

閉経すると筋腫も小さくなると言われていますが、ホルモンバランスの乱れにより大きくなることもあります。

子宮筋腫が見つかったらどうする？

筋腫ができた場所や症状により、治療内容が決まります。日常生活に影響しなければ治療しないこともあります。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫の症状

子宮筋腫を疑うサインは次の通りです。

• 月経量が多い
• 月経痛が強い
• 貧血である

月経時の状態をチェックしましょう。子宮筋腫による出血が増えると貧血状態になることもあります。貧血の原因を突き詰める過程で子宮筋腫が見つかることもありますよ。

ただし、筋腫ができる場所は３つに区分されており、症状が違います。

• 粘膜下筋腫→子宮の内側
• 漿膜下筋腫→子宮の外側
• 筋層内筋腫→子宮の筋肉の中

粘膜下筋腫では月経量が増えますが、漿膜下筋腫と筋層内筋腫では月経量も増えず月経痛もありません。

いちばん多いのは筋層内筋腫ですが、きっかけがないと気づきにくいのです。

子宮筋腫が進行するとどうなる？

子宮筋腫が進行するとどんな症状が出るでしょうか。

• 下腹部痛
• 不正出血
• 不妊症の原因になる
• 流産や早産のリスクが高まる

月経時以外でも下腹部痛や不正出血が見られることがあります。筋腫の場所によっては不妊の原因にも。流産や早産の可能性も高まります。

子宮筋腫にかかりやすいひとは

子宮筋腫にかかりやすいひとの特徴をあげましょう。

▶︎年齢

20〜40代。女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が多い年代のため。

▶︎遺伝と環境

遺伝性ではないと言われているが、母が子宮筋腫だと娘も子宮筋腫になる確率が高いという報告もある。環境要因（食生活などのライフスタイル）が影響すると考えられている。

▶︎血流が悪い

東洋医学では瘀血（おけつ）の状態。冷え性や血行が悪いと子宮筋腫ができやすい。

▶︎ストレス

ストレスにより発症・悪化することも。

子宮筋腫の治療

受診する目安

月経量が以前より多くなったり月経痛がひどくなったりしたら、子宮筋腫のサインかもしれません。生活に支障が出るようなら受診したほうがよいでしょう。

子宮内膜症と子宮筋腫の初期症状は似ています。子宮内膜症は早期発見がとても大切。早めに検査しましょう。

治療方法①手術

子宮筋腫はよくある病気と言えるのですが、状況により手術で切除することがあります。

• 症状が強く生活に影響がある
• 不妊の原因になる可能性がある

症状や筋腫ができた場所、妊娠希望の有無などで手術方法が変わります。

治療方法②薬物療法

▶︎偽閉経療法

ネーミングの通り、偽の閉経状態を作ります。女性ホルモンの濃度を抑えるため、一時的に月経を止めるのです。

子宮筋腫に効果があると言われていますが、更年期障害のような症状が現れるひともいます。

▶︎対症療法

症状を抑えるための手段です。月経量の調節や痛みを軽減するなど、月経困難の症状を薬で和らげる方法です。子宮筋腫自体を小さくするものではありません。

低用量ピルを使う治療では筋腫自体を小さくできますが、服用を中止すると大きくなる場合もあります。

手術も薬物療法も、症状や状況により選択肢があります。よく相談しましょう。

漢方薬で子宮筋腫を治療するメリット

子宮筋腫は多くの女性が持っており、悪さをしなければ経過観察のひとが多いですね。

ただし日常生活が困難なひとや不妊の原因となりうるひとなど、状況により治療に踏み切る場合があります。

手術で切除しても取りきれない小さな筋腫が残ったり、月経がある限り再発を繰り返すひともいます。

子宮筋腫が大きすぎて手術ができない場合、薬物療法となります。

原因であるエストロゲンという女性ホルモンの分泌を一時的に止めて筋腫を小さくするのです。

すると月経が止まるので、ホットフラッシュや骨密度低下など更年期障害のような症状が出る可能性があります。エストロゲンのおかげで保てる健康があるのですね。

経過観察の薬物療法では低用量ピルが主流ですので、月経はありますよ。

東洋医学では、子宮筋腫（しこり）ができるのは瘀血（おけつ）の状態だからです。子宮筋腫の成長や再発を防ぐには、身体を温めて血流を促すのが基本。気（エネルギー）の不足や停滞を改善するのも大切です。

50代に入ってから17cmの子宮筋腫を指摘されたお客さまがいらっしゃいますが、現在は落ち着いています。以前は足のむくみや頻尿・貧血などの症状でお悩みでしたが、漢方薬の服用で改善しました。

生活環境を整え漢方薬で足りないものを補い、子宮筋腫ができにくい体質を目指しましょう。瘀血が改善すれば月経痛なども改善してきます。

あなたの体質に合う漢方薬を選ぶため、必ず薬剤師に相談してくださいね。