よくわかる漢方・あなたの体質は?⑤【気滞|エネルギーの循環不足】
気滞(きたい)とは、身体のなかでエネルギーが滞ること。
漢方で「気」はエネルギーであり、身体を動かす原動力です。“やる気”にならなければ身体も動きませんよね。
気の巡りが悪いと精神的にも身体的にも不調が現れます。
- イライラ・不安感
- 胸部や腹部への圧迫感
- 頭痛・めまい
- 冷え・むくみ
- 身体が重い
- 生理不順
- 寝つきが悪い
- のどやみぞおちの違和感
一見バラバラの症状ですが、すべて気滞に関係しています。思い当たるひとはチェックしてみてくださいね。
気滞の原因
精神的ストレス
気滞の大きな原因はストレスです。感情を押さえつけていると気の流れが悪くなります。
ストレスを受けるとピリピリしますよね。これは自律神経のうち交感神経が優位になっているから。
ストレス解消できないと「ピリピリが続く=いつも緊張状態」ということになるのです。
気滞は性格にも左右されますよ。
- 几帳面
- 責任感が強い
- 完璧主義
このようなひとが多いですね。
生活習慣の乱れ
- 食習慣の乱れ
偏食や食べ過ぎが続くと胃腸に負担がかかり、気の流れを妨げてしまいます。
- 運動習慣がない
身体を動かさないと体温が上がらず、基礎代謝を低下させます。ストレスも発散しにくくなり、気の流れを悪くします。
肝の機能低下
気滞の影響を受けやすいのは、五臓六腑(ごぞうろっぷ)でいう「肝(かん)」です。
肝は気の流れを調節しています。以下の症状はすべて肝に関わる不調であり、気滞の目安になります。
- 冷え性
- めまい
- 気鬱
- 不眠
- 生理不順
気滞タイプはこんな状態になりやすい
精神的な苦痛
- イライラ
- 不安感
- 落ち込みやすい
感情のコントロールが難しくなります。
胃やお腹が張る
漢方では空洞の臓器に気がたまると考えます。胃や腸などに気が滞るとガスがたまり、げっぷやおならが出やすくなります。
のどやみぞおちの違和感
のどに何かが引っかかっているような感じがしませんか? 咳払いをよくするひとが当てはまるかもしれません。
気の巡りが悪くなると、のどやみぞおちが張ったりむくむことがあります。それが何か引っかかっているように感じるんですね。
月経トラブル
- 月経周期が安定しない
- 月経前の不調がある
気滞の女性は月経トラブルも多いのです。PMSやPMDDにもつながります。
気滞の状態から抜け出すには
ライフスタイル
▶︎日常生活で身体を動かす
運動は気の流れを促してくれます。
- 駅まで歩く
- 掃除で身体を動かす
- ヨガ
気滞になると代謝が落ちるので、むくみから太りやすくなります。日常でなるべく身体を動かしましょう。
呼吸を意識するヨガはおすすめです。溜まった気を吐き出すイメージで。
▶︎まぁいっか
気滞のひとは物事をまじめに真正面から捉える傾向があります。少し肩の力を抜いてみませんか?
例えば仕事で失敗したとき。恥ずかしいという思いが強いですよね。けれどもクヨクヨしたところで時間は戻せません。
そこから何を学びとれるかに意識を向けてみてください。
考え方はただのクセです。済んだことは「まぁいっか」で。繰り返すうちに捉え方が変わり、楽になりますよ。
▶︎生活に彩りを
- 楽しむ時間をもつ
趣味や気晴らしはありますか?
花やグリーンを飾る、美味しいものを食べる、海を見に行くなど、あなたの心が喜ぶことをしましょう
- 感情を素直に表現する
信頼できる友だちや家族に話を聞いてもらいましょう。
紙に自分の感情を書き出し捨てるのもおすすめです。何を書いてもOK! 誰も見ませんから。ただし捨てるときは気をつけてくださいね。
嫌なことは自分の外に出してしまいましょう。
- 身体と心を温める
身体を温めるには湯船に浸かるのがいちばん! 身体も心も緩みます。
心を温めるには五感を使いましょう。好きな香りや音楽、動物に触れるなど、あなたがホッとできることを。
食生活
▶︎おすすめの食材
- 柑橘系や香味野菜
嗅覚を利用して気の巡りを促しましょう。自律神経を整え、ストレスを和らげます。いい匂いだな、と感じる香りを。
みかん・レモン・グレープフルーツ・セロリ・春菊・パセリ・ハーブなど。
- 肝機能を改善する栄養素
肝機能の働きを助けるには、たんぱく質・タウリン・ビタミン・ミネラルを含む食材を。高たんぱくで低脂質のものがおすすめです。
鶏胸肉・豚もも肉・うなぎ・しじみ・豆腐・大豆もやし・かぼちゃなど。
▶︎食事内容の偏りに気をつけて
栄養バランスが崩れると気のバランスも崩れてしまいます。
良質のたんぱく質をとる、野菜を多めにするなど、少しでも意識すると違いますよ。
▶︎食べ過ぎていませんか?
ストレスを食で発散していませんか? 一時的に満足を得られるかもしれませんが、それでは食べ過ぎを繰り返すだけです。
肥満や糖尿病のリスクが高く、危険な発散法です。
漢方薬の役割
▶︎気を巡らせ心を落ち着かせる
ストレスをゼロにはできませんが、漢方薬で心を安定させることはできます。
気の巡りを改善する漢方薬を理気剤(りきざい)といいます。
理気剤に含まれる主な生薬は
- 柴胡(さいこ)
- 枳実(きじつ)
- 香附子(こうぶし)
- 半夏(はんげ)
- 芍薬(しゃくやく)
特に精神症状が強いときは柴胡・芍薬を用います。
気が流れなくなると血も水も流れなくなります。色々な部位にバラバラな症状があるのも気血水の滞りが身体全体に影響するからです。
まずは心を落ち着かせましょう。
▶︎ゆっくり体質改善する
今ある症状に対して治療するのが対症療法(標治)です。症状の原因自体を取り除く治療は原因療法(本治)です。
東洋医学ではどちらの治療もできますが、時間が必要です。西洋医学の即効性を利用しながら漢方薬で体質改善しましょう。
症状だけ治しても、気の巡りが悪いままだと元に戻ってしまいます。
漢方薬はあなたの症状に合わせた処方ができます。気滞のひと全員が同じ症状・体質ではありません。
漢方薬を利用する際には必ず薬剤師にご相談ください。
自分が喜ぶことを知っていますか?
気滞はその言葉通り「気が滞っている」状態で、ストレスの影響がとても大きいのです。ストレスの元を断つのが一番ですが、簡単ではありませんよね。
ストレスをうまく発散させるには「これをすれば楽しい」とか「穏やかになれる」ものを知っておくことです。
それでもストレス解消が難しいなら、漢方薬を取り入れてみてください。あなたの不調に合わせて処方できますし、副作用がなく身体にとても優しいお薬なのです。
気はあなたの身体と心を健康に保つためのエネルギーです。気血水を巡らせ、毎日を元気に過ごしましょう。
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