
妊活中は、葉酸・鉄分・たんぱく質など必要な栄養素に目が向きやすいですね。意識的に鉄分をとる、サプリメントを飲むなど、頑張っているお話しもよくお聞きします。
一方で、食事を麺類やパンだけで済ませてしまったり、甘いものが大好きという一面もあるかもしれませんね。
毎日の食生活は、知らないうちに「糖化(とうか)」という変化につながることがあります。卵子の質の低下やホルモンバランスの乱れなどにつながり、妊活に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
妊活中だからこそ知っておきたい糖化と身体の関係についてお伝えしましょう。
「糖化」という落とし穴

甘いものを食べたからといって、すぐに身体へ悪影響が出るわけではありません。大切なのは毎日の積み重ねです。糖化について知ると、食生活を見直すきっかけになるかもしれません。
糖化とは?「身体がコゲる」
糖化とは、身体のなかで余分な糖がたんぱく質や脂質と結びつき、AGEs(終末糖化産物)と呼ばれる物質が作られる現象です。AGEsは老化との関連が指摘されており、蓄積すると血管・臓器・肌など全身に悪影響を及ぼすのです。
糖化は、ホットケーキが焼ける様子に例えられます。卵や小麦粉に砂糖を混ぜて焼くと、表面がこんがり褐色になりますね。これが糖とたんぱく質による化学反応です。食品では香ばしい香りが食欲をそそりますが、生きた細胞内で起こるとダメージの原因になるんですね。
体内では焦げるように色が変わるわけではありませんが、仕組みが似ていることから「身体がコゲる」と表現されるようになりました。
糖化と酸化の違い
老化の原因としてよく耳にするのが酸化です。酸化は活性酸素が細胞を傷つける現象で「身体がサビる」とよく表現されます。どちらも身体の変化に関わる現象ですが、同じものではありません。
糖化によって作られたAGEsは、炎症や酸化ストレスとも関わることが報告されています。日々の食生活では「コゲ」と「サビ」の両方を意識することが、健康維持につながるでしょう。
酸化についてはコチラをどうぞ!
老化=身体がサビる?|原因は酸化ストレス
妊活中だからこそ糖化について知っておきたい
糖化は高齢者や持病があるひとだけに関係するものではありません。最新の研究では、糖化が進んでいる女性は妊娠率が低下するという報告もあるのです。糖化が妊活へ与える影響として、次のようなことが考えられています。
- 卵子の質の低下
卵子の質に影響を与え、受精やその後の成長へ影響を妨げる可能性がある - 排卵やホルモンバランスへの影響
血糖値やインスリンの乱れが、排卵や女性ホルモンの働きに影響することがある - 男性の妊活への影響
糖化は女性だけでなく、精子の質の低下と関連する可能性も報告されている
あなたの食習慣をチェック!

特別な食べものだけが原因で糖化になるわけではありませんが、食習慣の積み重ねで糖化が進みやすい状態になることはあります。食事に気をつけているひとほど、見直すポイントが見つかるかもしれません。
糖質に偏った食事
食事を菓子パンだけで済ませたり、甘いカフェドリンクや清涼飲料水を飲んだりする習慣はありませんか。
これらの飲食物は、多くの糖質を摂ってしまう原因。でも甘いものは心を満たしてくれる存在でもありますよね。ご褒美としてたまにとる分にはよいかもしれませんが「毎日続いていないかな?」と振り返ってみることは大切です。
無自覚で砂糖依存症になっていることもあります!
砂糖はなぜマイルドドラッグと呼ばれるのか|本当は怖い砂糖依存症
血糖値が急に上がりやすい食べかた
糖化を考えるうえで大切なのは、糖質を摂取したかどうかだけではありません。食べかたが関係することもあります。
例えば
- 朝食を抜いて昼食を一気に食べる
- 麺類や丼ものだけで食事を済ませる
- よく噛まずに短時間で食べる
このような食習慣は、食後の血糖値が急上昇しやすくなります。
「糖質ゼロ」なら安心とは限らない
健康を意識して、糖質ゼロや糖類ゼロと表示された商品を選ぶひともいるでしょう。しかし、糖質だけを見て選ぶと見落としてしまう点もあります。
糖質ゼロと表示された商品には、砂糖の代わりに人工甘味料が使われているものも多くあります。安全性は国の基準に基づいて評価されていますが、使われている甘味料の種類は商品によってさまざまです。
また「糖質ゼロ」は「食品100g(飲料100mL)あたりの糖質が0.5g未満で表示できる」と決められています。まったく糖質が含まれていないという意味ではないんですね。
妊娠しやすい身体作りは生活習慣から

糖化は食生活と深く関わっていますが、極端に糖質を制限する必要はありません。糖質は身体にとって主要なエネルギー源です。食べかたを工夫したり、無理なく続けられる生活習慣を意識してみましょう。
血糖値を急激に上げない食べかた
食事内容を大きく変えず、食べかたを工夫するだけでも血糖値の上昇を緩やかにできます。ポイントは、糖質が血液に吸収されるスピードを遅らせること。以下の食べかたを実践してみましょう。
- 野菜から食べる
野菜・きのこ・海藻類など食物繊維が豊富なものを最初に食べ、次に肉や魚などのたんぱく質、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べるのがおすすめ。食物繊維が糖の吸収を緩やかにする - よく噛んでゆっくり食べる
早食いは血糖値が急上昇しやすくなる原因。よく噛んでゆっくり食べると糖の吸収が穏やかになるだけでなく、食べ過ぎの予防にもつながる - 食事時間は20分程度を目安に
同じ食事内容でも、10分で食べるより20分ほどかけて食べたほうが、食後の血糖値の上昇が抑えられたという報告がある
身体全体を整える
糖化は、体内の余分な糖がたんぱく質と結びつく反応です。血糖をなるべく早く代謝するのが対策のカギ。食生活とともに、生活習慣を見直しましょう。
- 適度な運動を取り入れる
身体を動かすと糖がエネルギーとして消費されやすくなる。ウォーキングなど無理なく続けられる運動を習慣に - 睡眠をしっかり確保する
睡眠不足は血糖コントロールの乱れにつながる。毎日6〜7時間を目安に、質のよい睡眠を心がける - ストレスをため込まない
ストレスはホルモンバランスや糖の代謝に影響を与える。趣味や軽い運動などリラックスできる時間を持つ
漢方では糖化しやすい体質を整える
漢方では「糖化=糖のとりすぎ」と直線的に考えるのではなく、体質の問題と捉えます。血糖値だけに着目したような、ピンポイントの選薬はしません。糖化しやすい体質を改善することを目指すんですね。
糖化という結果だけではなく、なぜその状態になっているのか。背景まで含めて身体全体をみていき、一人ひとりに合った身体作りを考えるのが漢方相談です。
少しずつ変えていけばだいじょうぶ!

妊活中は「身体によい」と聞けば取り入れたくなりますし、悪いものは排除しようとしますよね。でも、調べれば調べるほど「あれもダメ、これもダメ」と、自分を追い込んでしまうひとが多いなぁと感じています。
糖化は気になるテーマなので記事にしたのですが、甘いものを食べた日があったからといって、すぐ身体に悪影響が出るわけではありません。食事内容が乱れる日があるのはみんな同じ。大切なのは、食生活や生活習慣を少しずつ整えていく意識です。
妊活は、赤ちゃんを迎えるための準備であると同時に、自分自身の身体と向き合う時間でもあります。気になることがあったらぜひご相談くださいね。一緒に身体作りを考えていきましょう。





