「なぜ妊娠できないのだろう」という思いを抱えながらも、忙しさに生活リズムが乱れがちな毎日を送っている女性は多いと思います。
東洋医学では、朝の時間帯は「陽気」が最も活発になる大切な時間とされています。朝の過ごし方が、女性の身体が本来持つ妊娠力に大きな影響を与えているのです。
今回は、忙しい現代女性でも無理なく続けられる「妊娠力を高める朝の習慣」をご紹介します。不規則な生活リズムやホルモンバランスの乱れに悩む方にとって、自然妊娠への身体づくりの第一歩となるでしょう。
妊娠力とは女性の身体が本来持つ生命を育む力

東洋医学でみる妊娠力
東洋医学において妊娠力は「腎精(じんせい)」と「血(けつ)」の充実度で決まります。
〈腎精〉
生命エネルギーの源で、卵子の質や子宮の機能に深く関わっている
〈血〉
栄養を全身に運ぶ役割をしており、子宮内膜の厚さや月経周期の安定性に影響する
腎精と血は相互に関連しています。腎精が充実していることで血液の質も向上し、逆に血が充実することで腎精の働きも助けられるのです。
現代女性の妊娠力が低下する3つの理由

現代女性の妊娠力低下にはさまざまな要因がありますが、生活に密着する理由としては以下があげられるでしょう。
- ストレス社会による自律神経の乱れ
- コンビニ食や外食中心の栄養バランスの偏り
- デスクワーク中心の運動不足
これらの要因が互いに影響し合い、妊娠力を低下させています。特に夜遅くまでスマートフォンを見る習慣は、メラトニンの分泌を阻害し、ホルモンバランスを崩す原因になっているのです。
朝の時間帯が妊娠力に与える特別な影響
東洋医学では午前6時から12時までを「陽気上昇の時間帯」と考えます。この時間帯に朝日を浴びたり身体を動かしたりすると体内の気の流れがよくなり、健康を促進するといわれているのです。
午前中の過ごしかた次第で身体の代謝機能が高まり、血流が改善されるんですね。朝の時間を有効に活用すれば、妊娠に向けた準備に役立つでしょう。
なかなか妊娠できない3つの根本原因

原因1:冷えによる血流不足が子宮環境を悪化させる
朝の基礎体温が36.0度以下の女性は、子宮や卵巣への血流が不十分な状態です。冷えにより子宮内膜が薄くなったり、排卵がスムーズに行われなくなったりします。
- 手足の冷え
- 生理痛の悪化
- 経血の色が暗い
これらの症状は、血流不足のサインなのです。
原因2:ストレスが肝気の巡りを阻害し排卵を妨げる

仕事のプレッシャーや人間関係のストレスは、東洋医学でいう「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の状態を引き起こします。「肝」は感情の調節や自律神経のバランスを保つ役割がありますが、ストレスがかかると機能が損なわれ、気の流れが悪くなるんですね。
肝気の巡りが悪くなると、ホルモン分泌のリズムが乱れ排卵が不安定になります。以下の症状が現れたら注意しましょう。
- イライラしやすい
- 下痢・便秘を繰り返す
- 月経周期が不規則
原因3:不規則な生活リズムが腎の働きを弱める
夜勤や残業による睡眠不足は、生殖機能を司る「腎」の働きを著しく低下させます。腎の機能が弱まると、卵子の質の低下や着床力の減少につながるのです。下記のような症状はありませんか?
- 疲れやすい
- 腰痛
- 頻尿
- 基礎体温の低温期と高温期の差が少ない
赤ちゃんを迎えるための朝の3つの習慣

習慣1:起床後30分以内の白湯で身体を芯から温める
沸騰させたお湯を50〜60度まで冷ました白湯を、起床後30分以内にコップ1杯(200ml)飲みます。ゆっくりと10分かけて飲むと、内臓から身体が温まり血流が改善されます。
白湯を飲む習慣を続けたところ、朝の基礎体温が0.2〜0.3度上昇したという報告もありますよ。
習慣2:5分間の朝日浴びでホルモンバランスを整える
起床後1時間以内に、窓際やベランダで5分間朝日を浴びましょう。曇りや雨でも構いません。体内時計がリセットされ、夜間のメラトニン分泌が活発になります。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、質のよい睡眠には欠かせません。
またメラトニンは抗酸化作用があり、卵子の質を守る働きもあるんですね。化学的に裏付けされた妊娠力向上法なのです。
習慣3:妊娠力を高める朝食メニューと食べ方

7時から9時の間は消化活動が最も盛んになります。朝食は温かいものから始め、たんぱく質→野菜→炭水化物の順番で食べるといいですよ。おすすめの食材は以下です。参考にしてくださいね。
〈温性の食材〉
生姜・シナモン・ナツメ・クコの実など
〈血を補う食材〉
ほうれん草・人参・レバー・卵など
〈たんぱく質を補う食材〉
卵・納豆・青魚・チーズなど
冷たい飲み物や生野菜は避け、温かいスープや蒸し料理を中心にしましょう。簡単に作れる高たんぱく質のレシピもたくさんありますので、活用してみてはいかがでしょうか。
小さな変化を積み重ねましょう

「一日でも早く赤ちゃんを授かりたい」という切実な願いに、わたしはたくさん触れてきました。できることはすべてやろうと頑張る女性が、本当に多くいらっしゃいます。
朝の習慣は小さな変化に思えるかもしれませんが、継続することで身体の変化を実感できるはずです。とにかく身体を温めましょう。自覚していなくても、身体は冷えていることが多いのです。
妊娠力UPの方法は身体全体や心の健康にもつながります。焦る気持ちもあるかと思いますが、まずは今日からひとつずつ始めてみてください。
当店では、あなたの体質や生活環境に合わせたアドバイスをしております。漢方薬の選薬や生活指導を通じて、妊娠力向上を全力でサポートしますよ! 希望を持ち、笑顔で過ごしましょう。