陰虚(いんきょ)は身体の水分不足。熱がこもっている状態です。

身体に水分が足りないと以下のような症状が現れます。

  • ほてり・のぼせ
  • 微熱
  • からせきがでる
  • ドライアイ
  • ドライマウス
  • 肌がカサカサしている
  • 寝汗をよくかく
  • 便が硬い
  • 排尿頻度が少ない

陰虚は更年期の女性に多く、症状も重なるところがあります。

陰虚の原因

夜型の生活

生活リズムや習慣により、夜型生活のひともいるでしょう。布団に入っても心身が休まらず、睡眠不足のひとが多いです。

寝汗をかく傾向もあり、それにより睡眠の質が下がります。

疲れとストレス

陰虚は自律神経のうち交感神経が優位になりがち。夜眠れないのも活動モードのままだからです。

疲労とストレスは自律神経に大きな影響を与えます。

塩分のとりすぎ

塩辛いものを食べると喉が渇きますよね。身体のなかでも同じことが起こっており、塩分をとりすぎると身体の水分を失ってしまいます。

陰虚タイプはこんな状態になりやすい

ほてりやのぼせを感じる

水分が足りないので身体の余分な熱を下げられません。

更年期障害によくみられるホットフラッシュはまさに陰虚です。

微熱が出る

不要な熱を冷ませないため、午後以降に微熱が出ることがあります。

粘膜が乾燥する

喉が渇く、ドライアイ、からせきなどは、粘膜が乾いているためです。

排泄の不調

便が硬く出にくいのは大腸の粘膜が乾燥しているから。便秘は湿疹や吹き出物など、肌にも影響します。

排尿回数が少ないひとも、身体の水分が足りないからなのです。

陰虚の状態から抜け出すには

ライフスタイル

水分を補い、副交感神経(おやすみモード)を優位にする生活を心がけましょう。

▶︎夜間にしっかり休息する

漢方では、身体の水分は夜作られると考えます。

夜型生活のひとは、少しずつでも寝る時間を早くしていきましょう。早寝早起きで自律神経を整えると潤いが戻ってきますよ。

▶︎身体と心を緩める

陰虚は交感神経が活発な状態で、なかなか休まらないのです。自分なりのストレス解消法を知っておくといいですね。

  • 湯船に浸かる
  • 好きな音楽を聴く
  • 好みの香りでアロマをたく
  • きれいな景色を見にいく

五感を使って心身を緩めてみてください。

▶︎水の飲み過ぎに注意

身体の水分不足といっても、水を飲んで解消するわけではありません。生活を整え、原因をひとつずつ取り除きましょう。

水分をとりすぎると逆効果で、水滞体質になる恐れがあります。体温くらいに温めたものをゆっくり飲んでくださいね。

食生活

▶︎白い食材を食べる

白い食材は、体内の水分を補ってくれます。

  • れんこん
  • 山芋
  • 豆腐
  • 豆乳
  • 白ごま

▶︎黒い食材を食べる

黒い食材は、身体を温め腎臓の働きを助けます。腎臓は体内の水分を調節していますが、陰虚になるとその機能が低下してしまうのです。

  • あさり
  • 桑の実
  • 黒豆
  • 黒ごま
  • 昆布

▶︎刺激物を控える

辛い食べ物、お酒やたばこは控えましょう。刺激物をとりすぎると身体の水分が失われます。

また交感神経が優位になるので、自律神経のバランスがとりにくくなってしまいます。

身体に潤いをあげましょう

年齢があがると潤いは失われていくもの。陰虚は更年期障害の症状と似ているところがあります。

夜間の休息で身体の水分は作られますので、早寝早起きの生活を。

また交感神経が優位に傾きがちなので、余計なストレスを抱えないようにしましょう。

漢方薬は陰虚のさまざまな症状を鎮めるお手伝いをします。

  • 不要な熱を冷ます
  • 身体を潤す
  • 喉や気管支の渇きを潤す
  • 便秘を解消する
  • 排尿を促しのぼせを鎮める

水分不足ですと、気も血も循環できません。気血水の巡りは健康の基本です。体内の水分が巡るようになれば、老廃物も排出できますよ。

あわせ持つ症状や体質により、処方する漢方薬は違います。必ず医師や薬剤師に相談してくださいね。

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