よくわかる漢方・あなたの体質は?④【瘀血|血の巡りが悪い】
血の循環が悪く流れが停滞した状態を、漢方では瘀血(おけつ)といいます。
血は全身を巡り、栄養や酸素を届けています。流れにくくなると身体のあちこちに影響が現れるのです。
瘀血の症状として一例をあげましょう。
- 頭痛
- 肩こり
- 生理不順
- 生理痛が強い
- 子宮筋腫がある
- あざができやすい
- 手足の末端が冷える
このような状態が続くなら、あなたは瘀血タイプかもしれません。
瘀血の原因
冷え
身体が冷えていると血流が悪くなります。手足の先がピリピリしびれるひとは、末端まで血が行き渡っていないのです。
気の停滞
漢方でいう“気”はエネルギー。
気と血は連動しており、エネルギーや栄養を身体の隅々まで届けています。
気の流れが悪くなると血の流れも滞ります。このことから、瘀血タイプのひとには気虚(ききょ)や気滞(きたい)のひとも多いのです。
外傷
打撲など、外部からのダメージにより血が滞ることもあります。
ぶつけた部分や周辺組織に血が閉じ込められ、溜まっている状態です。
病気
身体の一部に炎症が起きていたり、腫瘍がある場合も瘀血になりやすいです。
流れが悪いので、循環器系の病気(脳梗塞・心筋梗塞など)とも関係が深いのです。
逆に瘀血の状態を放っておくと循環器系の病気につながりやすいといえます。
瘀血タイプはこんな状態になりやすい
冷え性
身体全体がいつも冷えていたり、手足の末端が冷えやすいひとが多いです。
寒い季節に限らず、夏のエアコンで身体が冷えてしまう場合もあります。
月経に関する不調
生理不順・生理痛が強い・月経量が多いなどの症状がよくみられます。子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることも。
下半身は血流が滞りやすいため、月経や子宮に関する不調は大変多いのです。
あざができやすい
軽くどこかにぶつけただけでも、あざになりやすい傾向があります。あざは皮下出血したものが、そこに留まっている状態。
目の下のクマは、目の周りの血流が悪いサインです。
疲れやすい
栄養分や酸素が行き渡らないため、疲れやすいのも特徴です。
疲れが慢性化しており、なかなか回復しません。
瘀血の状態から抜け出すには
ライフスタイル
▶︎身体を冷やさないように
寒さを感じなくても肌が冷たいときがあります。夏にエアコンを利用する場合は身体を冷やさないよう意識しましょう。
手足の末端が冷えるひとは靴下などでガードを。
▶︎適度な運動を
身体を冷やさない意識とともに、身体を動かすことが大切です。運動すると身体が温まり、血流がよくなります。
▶︎身体を休める
血の流れが滞ると疲れやすくなります。疲れを感じたままだとエネルギーも湧きませんね。睡眠時間を確保し身体を休めましょう。
▶︎ストレスを緩和する
緊張している状態が続くと、交感神経が優位なままで休まりません。ストレスで血管が縮まると血流が悪くなります。
自分のリラックス法を見つけましょう。
食生活
▶︎栄養バランスをとる
肉中心の食事や脂っこいものをよく食べるひとは、血液がドロドロになっているかもしれません。野菜の分量を多くしましょう。
あざができやすいひとはビタミンCとビタミンKの補給を。血管を強くし、内出血時の止血をサポートします。
▶︎温かいものを食べる
夏でも冷たいものばかり食べず、温かい食事をしましょう。根菜類や発酵食品は身体を温めてくれます。
血流を促すには水分摂取も必要ですが、飲み物の温度に気をつけてください。常温以上のものをおすすめします。
▶︎アルコールや喫煙を控える
お酒やたばこは血流を悪くする原因です。できれば避けましょう。
漢方薬で補う
ライフスタイルや食生活の見直しとともに、漢方薬で不足を補いましょう。
瘀血は気の影響を受けやすいので、気の巡りを改善する生薬が入っているものも多いんですよ。
また血が足りない血虚タイプの方が瘀血を併発している場合もあります。
もともと血が不足しているのに加え流れが悪いわけですから、かなりつらいはずです。
瘀血の原因と、あなたが併せもつ症状により処方が違います。必ず薬剤師に相談してくださいね。
まとめ
瘀血は血の流れが悪い状態です。
“なんとなく不調”を我慢していると、大きな病気につながることもあるので気をつけましょう。
また、気と血はお互いに助け合い健康を保とうとします。どちらかが不調になると足を引っ張ってしまうんですね。
漢方での健康の基本は気血水のバランスです。生活を整えていきましょう。
そして漢方薬で足りないものを補ったり、増えすぎたものを排出していきましょう。少しずつ心身が整ってきますよ。
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