暑い夏。冷たい飲みものを一気に飲んでしまいがちですね。のどの渇きを癒やすつもりが、腎臓に負担をかけているかもしれません。

水分補給はとても大切なのですが、方法を間違えると体調をくずす原因にもなります。漢方薬剤師の視点から、腎臓にやさしい水分の摂り方をわかりやすくお話しします。ぜひ参考にしてください。

腎臓と水分代謝の関係とは?

腎臓は毎日180ℓの水分をさばいている

腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分をこし取る「ろ過装置」のような存在です。1日にろ過する血液の量はおよそ180ℓ。2ℓのペットボトル90本分もの血液を、休むことなく処理し続けているんですね。

適度な水分は腎臓の働きを助けますが、摂り方を間違えると逆に負担をかけてしまいます。特に高齢の方や腎機能に不安のある方は、腎臓への思いやりが大切です。

漢方でいう「腎」は生命力の貯蔵庫でもある

漢方では、腎はただの臓器ではなく成長・発育・老化などにも関係する重要な場所。腎の働きが乱れると、冷え・むくみ・疲れなどにつながります。

現代人に多い「腎陽虚(じんようきょ)」は、腎のエネルギーが不足した状態。下記のような症状がありませんか?

  • 下半身が冷える
  • 夜中にトイレに起きる
  • 朝起きるのがつらい

夏の水分摂取は「腎陽」を守る飲み方が大切です。

現代医学と東洋医学|それぞれの視点から見る腎機能

現代医学では腎臓を「老廃物を排出する臓器」として捉えますが、東洋医学では腎を「生命力の土台となる場所」として重要視します。現代医学が物理的な機能に注目するのに対し、東洋医学はエネルギーの流れや全身への影響を重視するのです。

 どちらの視点も大切で、身体の水分バランスを整えるには、両方の知恵を活かすのが理想的なんですね。ふたつの見方をふまえると、水分補給は「冷たいものを一気に」ではなく「こまめにやさしく」が基本。腎臓に優しい水分摂取を意識すると、体内の水分バランスが整いやすくなりますよ。

夏の水分補給で腎臓に負担がかかる理由

氷たっぷりの飲みもので「腎陽(じんよう)」が消耗する

冷たい飲みものをとりすぎると腎のエネルギー(腎陽)が弱まり、下半身の冷えや頻尿を招くことも。女性や高齢の方は、内側からの冷えに気づきにくいので注意が必要です。

キンキンに冷えた飲みものは一時的に涼しさを感じますが、内臓を冷やし全身の代謝を下げてしまいます。エアコンの効いた室内で冷たい飲みものを続けて摂ると、知らずしらずのうちに「内冷え」が進んでしまうのです。

一気飲みが腎臓を驚かせる

水分を一度にたくさんとると、腎臓が急に処理を強いられ、負担がかかります。がぶ飲みよりも、100〜150mlをこまめに摂るほうが、腎臓にとってやさしい方法です。

たとえば、500mlのペットボトルを一気に飲むのではなく、3〜4回に分けて飲むだけでも腎臓への負担は大きく変わります。デスクワークの方ならパソコンのそばにコップ1杯の水を置いて、30分おきに一口ずつ飲む習慣をつけるとよいですね。のどの渇きはこまめに解消しましょう。

糖分の多い飲みものは隠れ脱水や疲れのもと

甘い清涼飲料水やスポーツドリンクには、多くの糖分が含まれています。500mlのスポーツドリンクには角砂糖8〜10個分の糖分が入っていることも!

 糖分を処理するために体内の水分が使われるので、隠れ脱水になってしまうこともあるのです。血糖値の急上昇は腎臓への負担にもつながるため、甘い飲料の摂取は少量でも注意が必要です。

腎臓をいたわる夏の水分摂取法

常温〜温かい飲みものは身体にやさしいクッション

常温の白湯やハーブティーは身体の内側を冷やさず、腎の働きを守ります。エアコンが効いている環境で過ごす場合の水分補給におすすめです。

朝起きたときにコップ1杯の白湯を飲みましょう。1日の水分代謝をスムーズにします。体温に近い温度の飲みものは胃腸に負担をかけず、身体に吸収されていきますよ。

のどが渇く前に飲む

「のどが渇いた」と感じたときには、すでに軽い脱水になっていることも。30分〜1時間おきに一口ずつ飲む、というペースを意識すると、無理なく続けられます。

スマートフォンのタイマー機能を使って、30分おきに水分補給のアラームを設定するのもひとつの方法です。在宅ワークの方や、集中しがちなお仕事の方には効果的でしょう。トイレに行くたびコップ1杯の水を飲むなど、習慣づけにするといいですね。

おすすめは「煎じた麦茶」や「薬膳ブレンド」

麦茶には身体の熱を取る作用があり、カフェインも入っていません。夏の水分補給には理想的です。はと麦茶は昔から、体の水分バランスを気にする方に親しまれてきたお茶。クセも少なく、毎日の生活に取り入れやすいのがうれしいですね。

体質によって適した飲みものが異なる場合があります。ぜひ一度ご相談ください。

腎臓をいたわる水分摂取を心がけましょう

今年の夏も暑い日が続いていますね。体質や季節に合わせた飲みものを上手に取り入れ、元気に夏を過ごしたいものです。

夏の水分補給は量だけでなく質も大切です。がぶ飲みではなく、ゆっくり、こまめに。身体がよろこぶ飲みかたを心がけ、腎臓の働きを守りましょう。

当店では水分摂取のアドバイスも行っています。腎臓病をお持ちの方、むくみやすい方、冷え性の方など、それぞれのお悩みについてお話ししましょう。ご予約は下記からどうぞ!

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