爪の変化について質問を受けることがあります。表面がデコボコしていたり、割れやすくなったと感じませんか?
爪は血(けつ)の状態を映す場所と考えられています。血が十分に巡っていると爪には自然なつやが生まれますが、血が不足していると爪が薄くなったり表面がデコボコしたりする場合があるのです。
妊活中の女性に多く見られる体質のひとつが肝血虚(かんけっきょ)です。肝血虚は爪の変化だけでなく、月経や卵子の状態とも関係しています。
爪の変化を感じたら、身体の状態を見直してみませんか。
肝血虚ってどんな体質?

爪は美容の問題と思われがちですが、東洋医学では血や肝の状態を反映する重要なヒントとされています。肝血虚とはどのような状態なのでしょうか。
爪の状態は血からのサイン
「肝は血を蔵(ぞう)する」という考えかたがあります。肝に血を蓄え、必要に応じて身体全体に供給する働きがあるのです。
血が十分に満たされていれば爪はなめらかでつやがありますが、不足すると爪の栄養が足りなくなり、さまざまな変化が現れます。店頭でも次のような爪の変化がよく話題になります。
- 縦線が増えた
- 二枚爪になりやすい
- 薄くなった
- 表面がデコボコしている
ネイルを落としたときに気づく女性も多いようです。爪の表面をカバーしてしまうため、変化や異常があっても見えないのですね。
肝血虚とは
肝血虚とは、血が不足している状態です。血が足りなくなると身体のすみずみまで栄養が届きにくくなるため、爪だけでなく髪や目などにも影響が出やすくなります。
〈髪の変化〉
抜け毛・パサつき・髪が細くなる・ツヤを失うなど
〈目の変化〉
視力の低下・乾燥・かすみ・夜盲症など
爪の変化に気づいたら、身体全体のサインを照らし合わせてみてください。
妊活と血の関係
月経や妊娠は、血と深く関係しています。血が充実していると、子宮や卵巣にも栄養が届きやすいんですね。当店の妊活相談では、血が不足していると思われる女性がとても多いのです。
- 月経量が少ない
- 基礎体温の低温期が長い
- 卵子が育ちにくい
妊活中の方はチェックしてみてください。血が十分にある状態は、妊娠しやすい身体作りの基本です。
肝血虚が起こりやすい理由

妊活中の女性は仕事・家事・通院などに追われ、身体のケアが後回しになる場合が多いでしょう。爪に変化があるひとは、生活の疲れが重なっていることがよくあります。肝血虚が起こりやすい背景を見ていきましょう。
血の材料が不足している
血は食べものから作られます。忙しくて栄養バランスの取れた食事ができない日もあるのではないでしょうか。
パンや麺類などは簡単に準備ができて助かりますが、栄養が偏りがちです。朝食を食べなかったりコンビニ食が多い生活は、栄養不足のもとになってしまうんですね。
現代人は血の材料となる鉄・葉酸・ビタミンB群などが不足しています。貧血・疲労感・集中力低下などの健康問題が生じるのも、栄養不足の影響が大きいのです。
睡眠不足とストレス
妊活中は結果への不安も大きく、精神的な疲れが重なりがちですね。夜中に妊活のことを検索してしまうなど、ストレスを抱え睡眠不足になっている女性もいます。
血は夜に養われます。睡眠不足が続くと血の回復が追いつきません。午前1時から3時は東洋医学で肝の時間と呼ばれています。身体の回復や血の巡りに関わる時間帯とされ、深い睡眠をとるのが大切。血の健康を守るためには休息が欠かせないのです。
体力が消耗している
妊活中は、仕事や家事に加えて通院の予定も入ってきます。気を張る時間が長く、思っている以上に体力が消耗していることが多いのです。
休んでも疲れが抜けない、夕方になるとぐったりしてしまうなどは、気血(きけつ)が不足しているのかもしれません。身体を立て直す力が落ちていると、爪・髪・肌など末端の変化として現れるんですね。
爪の状態が変わっているときは、疲れがたまっているのかもしれません。日々の疲れにも目を向けてみましょう。
卵子が育つ身体を目指す|肝血虚の整えかた

不調に気づいたら整える生活を始めましょう。肝血虚の体質は、生活を少し変えるだけで身体が変わる場合もあります。妊活中に意識したいポイントを紹介しましょう。
血を養う食材を取り入れる
血を養う食材には以下のようなものがあります。特別な料理をしなくてもよいので、毎日の食事に少しずつ加えてみてください。
〈赤い食材〉
牛肉・レバー・赤身の魚・赤い果物(いちご・プルーンなど)
〈黒い食材〉
黒ごま・黒豆・黒きくらげなど
〈その他の食材〉
にんじん・ほうれん草・クコの実・なつめなど
味噌汁にほうれん草を加えるだけでもいいのです。冷凍野菜はすぐに使えるのでとても便利。難しく考えすぎないでくださいね。
睡眠で血を養う
血は夜に回復すると考えられています。夜の生活リズムを整えましょう。
入浴時はぬるめ(38〜40℃)の湯船にゆっくり浸かると血行が促進されます。身体を冷やさないためには、30分以内に布団に入りましょう。
入浴すると体温が上昇し、その後体温が下がってくると自然な眠気が訪れます。深部体温が下がると脳が休む準備が整うので、入眠しやすくなるのです。
なるべく23時までに就寝しましょう。肝の機能を最大限活かすためには、質のよい睡眠が必要です。午前1時から3時の間に深い睡眠をとるには、11時までに就寝するのが大切なんですね。少なくとも就寝30分前までには、PC・スマートフォン・テレビなどを控え、睡眠の質を向上させましょう。
血を補うには体質に合わせて
肝血虚の体質が関係していると考えられる体調不良もよくみられます。慢性的な疲労や不眠などでつらい方には、血を補ったり肝を養ったりする漢方薬を用いる場合もあります。よく使われるものをあげましょう。
- 四物湯(しもつとう):血を補うために用いられる基本的な漢方薬
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):女性特有の症状に
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスや精神的な不調に
体質や症状はひとそれぞれですので、漢方薬を利用する際は必ず薬剤師に相談してください。栄養補助食品を併用するのも基本的に可能ですが、成分が重複すると副作用につながる恐れがあります。使用中の薬やサプリメントがあればお知らせください。
爪の変化は身体からのメッセージ

爪のデコボコは美容の悩みとして見過ごされがちですが、身体からの静かなメッセージと考えてみてください。疲労やストレスがたまっていませんか。
妊活中は結果に意識が向きやすいものですが、大前提として母体が整っていることが必須。爪の変化に気づいたら、ご自身の身体や生活を振り返ってみてください。血を養い、心身をいたわる生活が妊活の土台なのです。
身体を整えるには少し時間が必要です。2〜3日で結果が出るわけではありませんが、身体は毎日少しずつ変化しています。
爪が全体的にデコボコしていたお客さまがいらっしゃいますが、根元がきれいになってきました。身体が整ってきている可能性を感じる変化で、わたしも嬉しかったです。爪は1ヶ月で2〜3mm伸びるといわれています。先端にあるデコボコは、約2ヶ月前の健康状態を反映しているんですね。
焦らずいきましょう。気持ちの面でも漢方相談をご利用いただき、ストレスをためないようにしてくださいね。




