卵子凍結は未来の妊娠に備えるための選択肢のひとつです。2023年に東京都が卵子凍結に係る費用を助成すると発表し、話題になりました。
近年晩婚化が進んでいますが、加齢により妊娠機能が低下していくのは避けられません。
卵子凍結によりライフプランを立てやすくなり可能性は広がりますが、注意すべき点もあります。
卵子凍結の利用を決める前に知っておくべきことはなんでしょうか。
卵子凍結の基礎
将来の妊娠に備える
卵子凍結は将来の妊娠に備える医療技術です。若いうちに質のよい卵子を取り出し、-196°Cの液体窒素中で凍結保存するものです。
妊娠可能な時期まで長期間の保存が可能です。今パートナーがいなくても将来子どもを持ちたいと望む場合など、若い頃の自分の卵子を使えます。
卵子凍結を選択するのはどのようなひと?
医学的適応
がんなどの疾患では、抗がん治療を受ける前に採卵し凍結保存できます。将来自分の卵子による妊娠が可能になります。
社会的適応
キャリアアップを図る際など、妊娠出産を遅らせたい場合の選択です。人生設計の幅を広げられますね。
受精卵の凍結保存も
卵子だけでなく受精卵の凍結保存も可能です。卵子凍結より妊娠しやすいメリットがあります。パートナーがいるひとや不妊治療を受けるひとが受精卵の凍結保存を選択します。
卵子凍結のメリット・デメリット
メリット
質のよい卵子を保存できる
年齢が上がると卵子の質が落ちることがわかっています。若いときの質のよい卵子を保存できるのが卵子凍結の魅力です。
安心感を得られる
病気の治療や仕事のキャリアを積むのにどのくらいかかるでしょうか。時が経ってみないとわからないこともありますよね。
卵子凍結は妊娠のベストタイミングを選択できる可能性があります。将来の保険をかけるような安心感が得られますね。
妊娠年齢の幅が広がる
女性は生まれたときから一生分の卵子数が決まっており、成長するごとに減少します。卵子数が少ないという理由の不妊を避けられる可能性はあります。
デメリット
費用がかかる
卵子凍結は自費診療です。凍結保存に至るまでにはいくつもの過程があり、通常ひとつひとつに価格が設定されています。クリニックにより差がありますが、1回で20〜40万円程度かかります。
例)成熟卵9個を凍結・保管した場合→40万円+保管料3〜5万円
※保管料は1年あたり
卵子を保存するのにも、保存期間を延長するのにも費用がかかります。
東京都では卵子凍結に係る費用の助成制度がありますが、助成金だけですべてがまかなえるわけではありません。経済的負担は大きいと考えましょう。
身体に負担がかかる
若い年齢のうちに10〜20個以上の卵子を凍結保存しておくのが望ましいとされています。
そのためには排卵誘発剤を使って卵子をたくさん育てなければなりませんが、腹痛やむくみなどの副作用が出る場合があります。
また凍結できるのは成熟卵子のみですが、採卵してみないとわからないのです。未成熟卵子・変性卵子は受精能力がないため凍結保存できません。採卵自体も身体に負担がかかるんですね。
妊娠出産については、年齢が高くなるほどリスクも高まります。今は健康体でも、年齢とともにホルモンバランスは変化しますし、高血圧や糖尿病などの基礎疾患にかかることもありますよ。
妊娠を保証するものではない
卵子凍結すれば必ず妊娠できるわけではありません。凍結した卵子の質はよくても、融解した卵子が受精できるか・着床できるかは別問題です。
一般的に年齢が高くなるほど子宮内膜が薄くなるので着床しにくくなりますし、着床できても流産の危険性が高くなるのです。
また長期保存の間には、災害などで超低温の環境が保てなくなる可能性もあります。
卵子凍結からの妊娠出産をかなえるために
知識を蓄える
知らなかったため時期を逃すことがあります。知識を蓄え、情報を整理しましょう。
例えば、AMHという検査があります。卵巣にどれだけ卵子が残っているかを調べる検査です。
女性は100万〜200万個の卵胞(卵子のもとになるもの)を持って生まれてきますが、成長するにつれ減少し増えることはありません。ひとつの排卵で約1,000個の卵胞が減少すると言われています。
年齢が若くてもAMH値が低い場合は閉経が早い可能性がありますので、妊娠出産の時期は早い方がよいでしょう。
検査の存在と意味を知っていれば、検査を受ける選択肢が生まれるかもしれませんね。検査結果が妊娠出産の時期を考え直すきっかけになることもあるでしょう。
メリットばかり追いかけると「こんなはずじゃなかった」と後悔するかもしれないのです。卵子凍結にまつわる知識を増やしましょう。
身体を整える
「卵子凍結したから安心」というわけではなく、将来の可能性が広がっただけなんですね。
年齢を重ねたあとの妊娠出産は、ただでさえリスクを伴います。受け入れる母体の環境が整っていなければ、妊娠することも妊娠を継続することも難しくなります。
出産や育児には体力が必要ですし、肥満は難産の原因となります。栄養バランスのよい食事をし、よく身体を動かし、睡眠時間はきちんと確保してください。
卵子は保存できても、身体の土台が作られていなければ妊娠にたどり着けないんですよ。
心を整える
卵子凍結は希望の持てる医療技術だと思います。さまざまな理由で妊娠出産の時期を後にずらしたいという願望をかなえてくれるものですね。
しかし、凍結された卵子にも母体にもステップがたくさんあるのも事実です。妊娠を保証するものではないと心にとどめておいてください。
また受精卵の子宮への移植・破棄にはふたりの同意が必要になります。年月が過ぎるなかでどちらかの気持ちが変わることもあり得るでしょう。想定外のことが起こるかもしれないのです。
なにがあってもふたりで話し合い選択していく、という覚悟を持ってください。
「計画的な人生を歩む」とは
卵子凍結は、将来の選択肢を増やすための有効な手段です。仕事を優先しながら将来の妊娠を考えるひとにとって、大きな手助けになりますね。
とはいえ、メリットとデメリットをよく理解し、慎重に検討するべきでしょう。知識を増やし、パートナーとじっくり話し合ってください。
身体の面から言えば、妊娠出産は若い方がいいのです。妊娠しやすいですし、産後の回復も早い。なにより子育てには体力が必要です。ですが、ライフスタイルは一概に年齢だけで決まるものではありませんね。
将来の妊娠出産を計画するなら心身を整えておきましょう。健康な身体は一朝一夕ではできません。栄養・睡眠・運動をしっかり意識して、母体を準備してくださいね。
当店でも受精卵を保存されているお客さまがいます。「せっかく若い頃の受精卵を持っているのだから」と、受け入れる身体の環境を整えていらっしゃいますよ。
あなたに足りないものを補ったり不要なものを排出できるようアドバイスいたします。漢方の考え方は健康の基本なんです。
卵子を保存してもらえる時代になりましたが、母体の環境を整えるのはあなたにしかできません。
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