漢方薬を飲むと太ると聞きましたが本当ですか?|お答えします!
漢方薬は太るのですか? と質問されることがあります。
確かに体重増加する方はいますが、足りないものが補われた結果です。
必要ない方に体重増加するような処方はしませんので安心してくださいね。
必要なものを補い、不要物は体外に排出する。あなたが健康になるため手助けするのが漢方薬です。
なぜ「漢方薬は太る」と言われるのか
胃腸機能の改善
たとえば胃腸障害の場合は、漢方薬で機能が改善されると体重増加することがあります。
食欲が戻り食べ物を正常に消化できるようになれば、栄養が身体中に届くからです。「食べているのに太らない」と悩まれている方への処方です。
食べられない、もしくは食べても消化されないのは、栄養が吸収されないため体力がない状態なのです。胃腸機能が改善された結果、体重が増えることはあります。
エネルギーを補った結果
体力が消耗しやすい方にはエネルギーを補う処方をするため、体重が増えることはあります。
気虚(ききょ)体質の方は低体重の傾向がありますので、太ったというより適正体重の範囲に入ったと表現するのがよいでしょう。
BMI(肥満度の国際的な指標)が18.5以上25未満が適正体重です。
太る原因で考えられることは
肥満は、摂取したカロリーより消費カロリーが少ないため起こります。胃腸機能や代謝の改善は健康のために必要で、太るためではありません。
消化不良のなかには食べても食べても痩せてしまうひとがいますが、機能回復しても同じように食べていれば当然体重は増えます。
摂取する量と消費量のバランスが取れていないため太るひとはいます。
漢方薬を上手に利用して健康に
他人の事例に惑わされないで
漢方薬を利用して体重が増える例はありますが、一人ひとりの状況が違うため一概に比べられません。他人の情報に振り回されないよう気をつけましょう。
たとえば、ほてりを解消したひとが「この漢方薬で治った」と言ったとしても、他のひとが同じ漢方薬を飲んだら体温が下がりすぎることもあるのです。とても危険ですよね。
体重増加も同じで、健康な身体のために必要な場合には処方します。あなたにはあなたの体質や症状に合う漢方薬がありますよ。
漢方相談をおすすめするわけ
わたしはいつも「漢方薬は独断で決めず薬剤師に相談してください」とお伝えしています。症状が同じでも、体質により処方する漢方薬が違うからです。
西洋薬と同じ感覚で、効果効能だけで漢方薬を選ぶのは危険です。西洋薬は症状に対してピンポイントで効くように作られており、体質を考慮しないからです(特別な場合を除く)。
漢方薬は身体に優しいので副作用がないと思われがちですが、体質に合わなければ副作用を起こすこともありますよ。他に服用している薬があれば、相性も考えなければなりません。
定期的なチェックを受けると、体質や症状に合わせた漢方薬をおすすめできます。
「太る」と聞いて敏感になるのは意識が高い証拠です
「漢方薬は太る」と聞けば敬遠したくなる気持ち、わかります。健康や美に意識が高いひとは「太る」の言葉にとても敏感ですね。とてもよいことだと思います。
漢方薬には2,000年の歴史があり、現在に至るまで研究は続いています。身体と心の全体をみて処方するのが漢方薬です。
健康のための体重増加でも「太った」ことに変わりありませんが、必要なひとが得た結果です。体重増加が不要なひとを太らせるような処方はしませんので、安心してくださいね。
あなたにはあなたに必要な漢方薬がありますよ。
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