アトピー性皮膚炎は乳幼児期や小児期に発症することが多く、成長するにつれ治る傾向にあります。
しかし近年、大人になってから再発するケースが増えました。再発だけでなく、成人してから発症するひともいます。
原因には複雑な要因が絡み合っており、一概にこうとは言えません。漢方の視点からも考えてみたいと思います。
大人になってから再発することがあるの?
日本皮膚科学会のガイドラインには、アトピー性皮膚炎にかかるひとの多くはアトピー素因を持つと書いてあります。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの既往歴・家族歴は、原因のひとつではあります。ですがそのすべてのひとがアトピー性皮膚炎になるわけではありません。
大人のアトピーの原因は環境だと言われています。複雑な要因が絡み合い、再発するひとが増えているのです。
成人してから発症することも
成人してから初めてアトピーを発症するひともいます。驚くことに、30〜40代で発症するひとが多いようです。
これには「身体の皮脂量が減っていく年齢のため乾燥により発症する」という見方があります。もちろん、環境や体質の影響も大きいでしょう。
アトピー性皮膚炎の見分けかた
何をもってアトピー性皮膚炎というのか。これは診断してもらうしかありません。
- 左右対称に湿疹が出る
- 治ったり悪化したりを繰り返す
これらの特徴はほんの一部です。外的な要因が加わる部位には症状が強く現れます。悪化すると全身に広がることも。
ふだんお客さまと接していて、大人のアトピーはストレスと生活習慣の乱れがほとんどだと感じています。
乳幼児期からのアトピー素因を持っている方はなおさらですね。
参考:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021|公益社団法人日本皮膚科学会
大人アトピーの原因
肌のバリア機能の低下
アトピーの原因に「肌を守る力が足りない」があげられます。以下の3つは肌のバリア機能が低下する原因です。
- 肌の乾燥
通常ならバリア機能の働きが肌を守ってくれます。しかし機能が低下するとアレルゲン(ダニ・ハウスダスト・花粉など)が入りやすくなってしまいます。
- ストレス
ストレスを受けると交感神経が優位になります。するとアドレナリンが分泌され、血流が増加。それが肌の乾燥やかゆみを引き起こすのです。
働き盛りの30〜40代は責任ある仕事を任され、ストレスが生じやすくなっています。
昨今の在宅勤務も運動不足の原因となり、ストレス発散の機会が減っています。
- 睡眠不足
睡眠不足も肌バリアの敵。ストレスが増大することでも睡眠の質は落ちます。
アトピー悪化の原因
アトピーが悪化する原因のひとつにホルモンバランスがあります。
例えば女性ホルモンのエストロゲンの減少も、免疫機能低下の原因に。女性はホルモンの増減が激しいので注意が必要ですね。
また、過度の飲酒や喫煙習慣も悪化の原因です。喫煙は肌にダメージを与え、老化を早める一因にもなります。
大人アトピーの対処法
生活習慣の見直し
食事内容を見直してみましょう。和食中心のメニューがおすすめです。和食は野菜や魚介類など栄養バランスに優れています。
反対に悪化させる可能性を含むのが、コーヒー・アルコール・辛いもの・加工食品などです。
睡眠もバリア機能を守るための基本です。就寝中かゆみに悩まされないよう、湿度を保つ工夫をしてくださいね。
こまめに掃除を
ホコリやダニは刺激物質です。こまめに掃除して取り除きましょう。
アトピーのひとは落屑(らくせつ=肌がはがれ落ちたもの)が多いのですが、これにもダニやホコリが付着しますよ。
入浴で肌を清潔に
毎日入浴して、身体についたアレルゲンを洗い流します。ステロイド剤を塗布している場合は、古いものをきれいに洗い流してから新たに塗りなおしましょう。
入浴はリラックス効果もあるので、質のよい睡眠にもつながります。お風呂からあがったら、なるべく早く保湿しましょう。
漢方で考えるアトピー性皮膚炎
漢方では、内因があると外因の影響を受けやすいと考えます。
- 外因→環境・化学物質など
- 内因→免疫力の低下・体質的な要因など
漢方の基本は気血水。これらの流れが悪く、不要なものや足りないものがある状態は、健康ではないんですね。
健康でない状態に外的要因が加わるので、どこかに影響が出てしまうのです。アトピーのひとは肌に出ているということです。
- 胃腸の消化機能をあげる
- 不要なものを体外に出す
- 足りないものを補う
- 気血水を巡らせる
漢方薬は、このように身体の内側を整えるお手伝いをします。
アトピー性皮膚炎は、体質改善による根本的な治療が必要です。
ステロイド剤も必要な場合がありますね。しかし内因を取り除かなければ、いつまで経ってもステロイドをやめられません。環境を整えながら、漢方薬で身体を整えましょう。
当店のお客様でも大人アトピーがだいぶ改善された方がいらっしゃいます。
2週間の漢方薬服用で赤みやかゆみが治まってきました。この方には「身体の炎症(熱)を尿として体外に出す漢方薬」を服用していただいています。
しかし同じ症状でも体質により処方する漢方薬は違います。必ず薬剤師に相談してくださいね。
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