
近年、日本における透析患者数は増加を続けています。現在約34万人が透析治療を受けており、主な原因は糖尿病性腎症(約40%)と慢性糸球体腎炎(約30%)です。
透析は一度始めると基本的に生涯続く治療であり、患者さんだけでなく、家族の生活にも大きな影響を与えます。もしかしたら、あなたも透析予備軍かもしれません。
腎臓は『沈黙の臓器』と呼ばれており、気づいた時には手遅れになっていることもあるのです。腎臓のSOSを見逃さないために、東洋医学の視点からみた腎臓の健康維持についてお伝えしましょう。
透析治療とはどのようなものか

透析治療は腎臓の働きが低下したときに、体内の老廃物や余分な水分を人工的に取り除く治療法です。
通常は週3回、1回あたり4時間程度の頻度となります。
透析患者さんの治療スケジュール
多くの透析患者さんは、朝8時頃に透析施設に到着し、12時頃まで治療を受けます。治療中はベッドに横になり、読書やスマートフォンでの動画視聴などをしている方が多いですね。
最近では透析中に運動療法を取り入れているクリニックもありますよ。
食事制限の実際
透析患者さんには食事制限があります。具体的な例をあげましょう。
- 塩分:1日6g未満(味噌汁1杯で約1.5g)
- カリウム:1日2000mg未満(バナナ1本で約360mg)
- リン:1日700mg程度(豆腐半丁で約150mg)
- 水分:1日500~800ml程度(コップ3杯程度)
※透析患者の食事制限に関する一般的なガイドラインに基づいています。患者さんの状態や医師の指示に応じて、これらの制限は調整されることがあります。
医療費と社会的サポート
透析は高額な治療で、月額40万円程度かかります。特定疾病療養受療証の交付を受けると、自己負担額が月額1万円程度に抑えられます。
また、身体障害者手帳の腎臓機能障害として認定されると、さまざまな福祉サービスを利用できるようになります。
透析治療が必要になる主な原因

透析治療に至る主な原因について理解しておきましょう。予防のための第一歩です。
生活習慣病と腎臓の関係
糖尿病や高血圧は腎臓に大きな負担をかけます。日本透析医学会の調査によると、透析導入の原因の約50%が糖尿病や高血圧などの生活習慣病に関連しています。
特に血糖値のコントロールが不十分な状態が続くと、腎臓の細い血管が傷つき、腎機能が低下していきます。
ストレスと睡眠不足の影響
現代社会では慢性的なストレスや睡眠不足を抱える方が増えています。東洋医学では、過度のストレスや睡眠不足は「腎の気」を消耗させる要因と考えられています。
不規則な生活リズムは自律神経のバランスを乱し、腎臓の血流を悪化させることがありますよ。
無自覚な腎機能低下
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。機能の70%以上が失われるまで、はっきりとした自覚症状が現れにくいのです。
定期的な健康診断で尿検査や血液検査の結果をチェックするのが非常に重要です。クレアチニン値の他、早期発見のためeGFR値を併せて見るのが一般的です。
透析を避けるための養生法と対策

腎臓の健康を維持するためには、日常生活での心がけが大切です。東洋医学の知恵と現代医学の知見を組み合わせた対策をご紹介します。
東洋医学からみた腎臓の養生法
東洋医学では、腎は生命エネルギーの源である「先天の気(せんてんのき)」を蓄える場所と考えられています。腎の健康を保つためには、以下のような養生法が有効です。
- 適度な温かさを保つ(特に腰や足を冷やさない)
- 過労を避け、十分な休息をとる
- 過度の恐怖や不安など、腎の気を消耗するストレスを避ける
腎を補う食材としては、黒豆、クコの実、クルミなどの黒色や濃い色の食物がおすすめです。
※先天の気は両親から受け継いだものであり、個人の生命力や成長、発育に深く関与しています。
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日常的に実践できる腎臓ケア

腎臓の健康維持のために日常的に心がけたい習慣をご紹介します。
- 水分摂取:1日1.5~2リットルの水分摂取(お茶や水など)
- 減塩:1日の塩分摂取量を6g未満に抑える
- 適度な運動:ウォーキングなど無理のない有酸素運動(週3回、30分程度)
- 十分な睡眠:質の良い睡眠を7~8時間確保する
腎臓だけでなく全身の健康維持にも効果的なケアです。腎機能が低下している場合は、医師の指導のもとで調整しましょう。
漢方による未病対策
東洋医学では、病気になる前の「未病」の段階で対策を講じることを重視します。腎機能をサポートする漢方薬には、以下のようなものがあります。
- 腎機能をサポートする漢方薬
- 疲れやすさや冷えが気になる方向け
- むくみが気になる方向け
- ストレスによる不調に対応する漢方薬
漢方薬名はあえて提示しておりません。腎機能が低下している方は、生薬に含まれるカリウムやアルミニウムに注意を払う必要があります。
漢方薬は個人の体質や症状に合わせて選ぶことが大切ですので、必ず専門家に相談しましょう。
【お客さまインタビュー】
父が透析治療を受けるようになってから、家族で健康について考えるようになりました。漢方薬局で腎臓に良い生活習慣や漢方薬について教えてもらい、少しずつ実践しています。4時間の透析で父は疲れてしまうようですが、いつも「ありがとう」と言ってくれるのでわたしも頑張れます。大変なこともありますが、父が少しでも快適に過ごせるようサポートしていこうと思います。
※80代のお父さまが透析治療中の娘さまからお話を伺いました
未病の段階からのケアが大切です

透析治療はあなたとご家族の生活を大きく変えてしまう可能性があります。いったん始めると基本的に生涯続けることになるからです。ご本人のためにもご家族のためにも、腎臓の健康を守るのがなによりも大切なんですね。
生活習慣病の予防は腎臓をいたわることに直結します。生活習慣を振り返り、見直してみましょう。
当店では、あなたの体質や生活習慣に合わせた漢方薬の選薬や養生法のアドバイスをしています。腎臓病は発見しにくい病気です。高血圧や糖尿病の方は、定期的な検査で腎臓の状態もチェックしましょう。
不調を感じる方は早めにご相談ください。大切な家族のために、今からできることを始めませんか?