妊活という言葉を「脳活」に置き換えてみると、意外な気づきがあります。なぜなら、私たちの心と身体は、脳を通じて密接につながっているから。

「早く妊娠したい」というプレッシャーは、脳内のホルモンバランスを乱し、妊活の大きな障害となります。反対に心が穏やかで脳がリラックスしていると、身体は自然と妊娠しやすい状態に整っていくんですね。

妊活成功の鍵となる"脳活"の重要性と、ストレスケアの実践法についてお伝えします。

ストレスが妊活に与える影響とは

女性ホルモンとストレスホルモンの密接な関係

私たちの体内では、さまざまなホルモンがバランスを保ちながら働いています。特に妊活において重要な女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)は、ストレスホルモンの影響を受けやすいんですね。

強いストレスを感じると、副腎からコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが分泌され、女性ホルモンの分泌リズムを乱すことがあるのです。

この状態が続くと、脳から卵巣への指令が伝わりにくくなり、月経周期が不規則になったり、排卵に影響が出たりします。

また、エストロゲンやプロゲステロンの低下は、FSH(卵胞刺激ホルモン)値を高めます。高いFSH値は卵胞の成長を妨げるので、妊娠しにくくなる可能性があるのです。

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ストレスによる体調の変化

ストレスが続くと、基礎体温のバランスが崩れやすくなります。生理不順や不眠の症状があらわれるひともいるでしょう。

大きなショックを受けたときに生理が遅れた、という経験はありませんか? これはストレスによって身体のホルモンバランスが崩れた典型的な例なんですね。

ストレスは自律神経にも影響を与え、睡眠の質を低下させます。寝つきが悪くなったり夜中に何度も目が覚めたりすると、疲れが蓄積されてしまいますよね。悪循環を防ぐのが、身体作りの第一歩です。

妊活中に感じやすいストレスとその影響

妊活中は敏感になりやすい時期です。以下のようなストレスが、日々積み重なっているかもしれません。

妊活に直接関わるストレス

  • 毎朝の基礎体温測定
  • 排卵検査薬の結果確認
  • タイミングの意識
  • 妊娠検査への不安

日常生活でのストレス

  • 仕事との両立
  • 通院時の職場調整
  • 家族からの声かけ
  • 周囲の妊娠報告
  • SNSの情報過多

不妊治療中の場合

  • 通院の負担
  • 治療スケジュール
  • 経済的な不安
  • 結果待ちのプレッシャー

ストレスは、心と身体に大きな負担をかけています。
ひとつひとつは小さなことでも、積み重なると大きなストレスになっていくんですね。

妊活中のストレスケア実践法

日々の生活習慣の見直し

ストレスケアの基本は、規則正しい生活リズムを整えることです。いつもお伝えしている睡眠・栄養・運動ですね。

  • 睡眠
    7〜8時間の睡眠時間を確保しましょう。夜10時〜深夜2時までは身体の回復に重要な時間帯です。
  • 栄養
    1日3食を規則正しくとりましょう。特に朝食はしっかりと。温かい食事を心がけ、身体を冷やさないようにしてください。
  • 運動
    ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で。継続できるものを選んでくださいね。

心と身体をリラックスさせる具体的な方法

リラックスする方法は人それぞれですが、誰でも気軽に始められる方法をいくつかご紹介しますね。

  • 頭のマッサージ
    好みの香りのヘアオイルでひたすら頭皮をもむ。お風呂上がりがベストですが、ホットタオルで頭皮を柔らかくしてから行えばOKです。(わたしはシリコン製のスカルプブラシでマッサージしています。おすすめ!)
  • 深呼吸
    場所を選ばずできるストレス解消法。腹式呼吸を意識しながら、ゆっくりと5回ほど繰り返すだけでもリラックス効果が期待できます。
  • 入浴
    ぬるめのお湯(38〜40度)に20分程度つかり、全身の血行を促すのがおすすめです。肩や首のマッサージを加えると、より効果的ですよ。
  • 香りの効果
    アロマテラピーやハーブティーなどは、心を落ち着かせるのに役立ちます。好みの香りを探してみましょう。

趣味の時間を持つと、自然とストレス解消につながります。読書、音楽鑑賞、ガーデニング、編み物など、好きなことに没頭できるといいですね。

パートナーや周囲との関係づくり

パートナーと気持ちを共有できていますか? 妊活は夫婦で取り組むものです。お互いの心身の状態を理解し合うことがとても大切なんですね。

自分の気持ちや体調の変化を素直に伝えるとともに、相手への思いやりが欠かせません。妊活への温度差があると感じたら、コミュニケーションで差を埋めていく努力も必要でしょう。

男女では脳の仕組みが違いますから、同じように考えるとは限らないのです。

【妊活】夫婦の温度差に悩んでる?|男と女って違うイキモノなんです

妊活中の方々とのコミュニケーションで、悩みや不安を共有できる場合もあります。しかし、SNSでの情報交換はほどほどにしておきましょう。必要以上の情報に触れると、かえってストレスが増してしまうかもしれません。

ひとりで抱え込まないのは大切ですが、周囲のサポートは適度に受け入れましょう。

漢方の考え方で取り組む妊活サポート

バランスの取れた心と身体づくりの重要性

漢方では、心と身体は密接につながっていると考えます。特に女性の身体は、気温やストレスなど環境の変化の影響を受けやすいんですね。そのため、心身のバランスを整えることが妊活成功への近道となるのです。

日々の生活の中で「冷え」を防ぐことは特に大切です。

  • 冷たい食事に気をつける
    生野菜・冷たい飲み物のとりすぎを控える
  • 足元からの冷えを防ぐ
    スリッパ・ルームソックス・レッグウォーマーの活用
  • 血行を促す
    座りっぱなしを避け、軽い運動を

季節に合わせた養生法

私たちの体調は季節の影響を受けやすいものです。季節の特徴に合わせたケアを心がけましょう。

【春】自律神経が乱れやすい季節

  • だるさ、眠気が強まる
  • 花粉症などアレルギー反応が起こりやすい
  • 新生活のストレスが重なりやすい
  • 休息を十分に、環境の変化にはゆっくり対応を

【夏】冷えと疲労のダブルケアを

  • 冷房の温度差は外気と5〜6度以内で調整
  • 冷たい飲食物は控えめに
  • 汗による体力消耗に注意
  • こまめな水分補給と適度な塩分補給を意識

【秋】寒暖差による体調変化に要注意

  • 胃腸が敏感になりやすい
  • 喉や肌の乾燥対策を始める
  • 身体を温める旬の食材(根菜、きのこ類)を積極的に
  • 冬に向けた身体作りの開始時期

【冬】身体を冷やさない工夫を

  • 手足の末端、下半身の保温を意識
  • 重ね着で調節しやすい服装を
  • 室内の湿度管理
  • 生姜・ねぎなど身体を温める食材を取り入れる

季節の変化に合わせたケアで、体調を整えやすくなります。自然のリズムに寄り添った生活を心がけると、心も体調も安定してきますよ。

心身の状態に応じたセルフケア

体調は日々変化するものです。その日の体調や気分に合わせて、無理のない範囲でケアしましょう。疲れを感じる日は早めに休息を取る、気分が落ち込む日は気分転換を図るなど、柔軟に対応してくださいね。

わたしたちは人間ですから、体調がよくない日も気分があがらない日もあります。どんな自分も批判せず、受け入れる姿勢が心身のケアにつながりますよ。

心のケアは脳活から

「やっぱり妊活は脳活だよね!」とおっしゃる方がいて、本日のお話しを書きました。その方は53歳で念願の出産をし、心の安定がもたらすものの大きさに気づいたようです。

わたしも妊活中の方々と接していると「頑張りすぎてるな」と感じることがあるんですよね。

私たちの心と身体の関係を管理しているのは脳です。

  1. 心が不安やプレッシャーを感じる
  2. 脳がストレスを感知
  3. 脳から自律神経へ指令が出る
  4. ストレスホルモンが分泌される
  5. 身体にさまざまな影響が出る

心の状態は脳を通じて身体に現れます。逆に身体がリラックスすると、脳を通じて心が落ち着いてくるのです。脳が安定しているとホルモンバランスが整いやすく、妊娠しやすい状態に近づくんですね。

身体と心の両方のケアが必要なわけ、わかっていただけましたか?

ただ、ストレスはどこにでも転がっているものです。「避けなければ」と思うこと自体ストレスになるので、真正面から受け止めなくていいんですよ。

ストレスをずらすとか緩めるとか「やんわりかわす」練習をするといいかなと思います。物事の捉え方はクセですから、まじめなひとほど正面から受け入れて悩んでしまうんですよね。

体調やお悩みはひとそれぞれ異なります。当店では、あなたの状態に合わせたアドバイスをしておりますので、お気軽にご相談ください。

心と身体のバランスを整えながら、穏やかな気持ちで妊活に取り組みましょう。

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