着床率や妊娠継続に関わる大切な成分｜ビタミンDを摂りましょう

研究により、ビタミンDと妊娠の関係がわかってきました。

ビタミンDの欠乏は、胎児の成長や出生後の身体にも大きく影響します。

大切なビタミンDの役割と、効率よい摂取方法を学びましょう。

ビタミンDの役割ってなに？

骨や歯を正常に形成し、その健康面を維持する

ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。骨や歯の成長を促してくれるんですね。

不足すると骨軟化症（子どもに発症するものを“くる病”と呼ぶ）や骨粗鬆症など、骨の病気の原因となります。

また骨折のリスクが高まるので注意が必要ですね。

免疫機能の改善

ビタミンDは免疫力を高める助っ人もしています。

ビタミンDが欠乏すると、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にかかりやすくなります。

免疫力が落ちていると重症化につながるとの報告もあります。

妊娠中は特に注意が必要です。

妊娠率と妊娠継続の向上

ビタミンDをしっかり摂ることで妊娠率が向上し、妊娠を継続させやすくなることが報告されています。

• 質のよい卵子を作る
• 着床しやすい母体になる
• 体外受精の成功率があがる

排卵障害や流産もビタミンDの欠乏が一因となっています。

その他

ビタミンDの不足で懸念される病気や症状はまだあります。

• アレルギー症状
• がん
• 糖尿病
• 精神疾患

ビタミンDは免疫機能と関わるため、身体全体の健康に関わってくるのです。

妊娠前からビタミンDが必要なわけ

生殖補助医療とビタミンDの関係

体外受精などの生殖補助医療とビタミンDの関係を調査した論文があります。

ビタミンDが欠乏していると、着床〜出生のプロセスのどこかで妊娠の継続が難しくなる傾向があります。

高度な医療も、身体が準備不足ではどうにもなりません。

• 多嚢胞性卵巣(PCOS)
• 精液所見がよくない
• 妊娠高血圧症候群
• 早産

上記もビタミンD不足と関連があります。これらのリスクを避けるには、妊娠前からの準備が不可欠なのです。

赤ちゃんの健康もビタミンDで左右される

妊婦さんに限らず、胎児にもビタミンDは必要です。

胎内での発育を促すのはもちろんですが、生まれてから後々の健康に大きく影響するからです。

• 喘息
• アレルギー性疾患
• 精神疾患

これらの病気もビタミンD欠乏と深く関わっています。

特に骨の強度や病気は、高齢になるほどハッキリ現れます。お腹にいる期間に、生涯を通じての健康状態が決まるのです。

お腹の赤ちゃんは、ビタミンDをお母さんからもらうしかありません。母親がビタミンD欠乏症であれば、赤ちゃんも欠乏症になってしまうんですよ。

ビタミンDをとるために必要なことは

日本人は慢性的なビタミンD不足

血液中のビタミンDの理想的な量は、少なくとも20ng/ml（ナノグラム パーミリリットル）以上。できれば30ng/ml以上が好ましい値です。

これは血液検査をしなければわかりません。

しかし日本人は慢性的にビタミンDが不足しているそうです。

1日で摂取したいビタミンDの量は、男女ともに8.5μg（マイクログラム）です。これは鮭１切れ、さんま１尾で摂取できますよ。

ビタミンDを効率よく摂取するには

ビタミンDの摂取方法には３通りあります。食事・サプリメント・紫外線です。ひとつずつ説明しましょう。

▶︎食事

ビタミンDは魚類やきのこ類に多く含まれています。

魚類なら

• 鮭
• さんま
• イワシ
• サバ
• うなぎ

脂がのったイメージの魚ですね。

きのこなら

• 干ししいたけ
• キクラゲ

がおすすめ。
調理前に日光にあてるとさらにビタミンDが増えますよ。

▶︎サプリメント

妊娠に関するサプリメントは、まず葉酸が思い浮かびますよね。ビタミンD配合のものを選ぶとよいでしょう。

日本は海外に比べてサプリメント摂取の習慣が少ないそうです。適度に取り入れ、不足の成分を補いましょう。

▶︎太陽の光を浴びよう

ビタミンDは日光を浴びることで合成されます。これは他のビタミンにはない特徴です。

女性は特に過度な紫外線対策をしがちですが、これがビタミンD不足の一因ともいわれています。

日焼けしない程度の時間で大丈夫。手の甲だけでもよいので、日光にあたりましょう。

いちばん簡単にできるビタミンD摂取方法です。

ビタミンDの摂り過ぎに注意しましょう

ここまでビタミンDの摂取を勧めてきましたが、摂りすぎはやはり害になります。

高カルシウム血症・腎障害のほか、本来ならやわらかいはずの組織が石灰化することもあります。

とはいえ、普通の食事だけで過剰摂取になることはまずありません。サプリメントを利用する場合には気をつけてくださいね。

まとめ

骨や歯といえばカルシウムですね。ですが、カルシウムもビタミンDの助けがあってこそ吸収がよくなるのです。

これまであまり表舞台に現れなかったビタミンDですが、老若男女の健康に必要な成分だとわかってきました。

適度な摂取で健やかな身体を保ちましょう。